話術って如何わしい?
一般的な印象として、「話術」は何となく如何わしいと思われる傾向がある。確かに、初対面の間柄でお互いの事がわからない場合、いかにも「あなたの事分かっていますよ」的な空気で話してくるやり方なら、そう思われても仕方ないと思う。すなわち話術とは次の様な特徴がありそうだ。
- 良いように丸め込まれている
- 本当ではない事を本当の事のように言う
- 裏があると疑いたくなる
話術を適切に使うことは、コミュニケーションを円滑に進める上で重要である事をここに書いてみようと思う。できれば、コミュニケーションスキルに懐疑的な人達に読んで頂けたら幸いである。
結論
自分が今まで経験してきた中で判断すると、話術というテクニックにおいて、如何わしくないモノもちゃんと存在すると考えている。如何わしいと感じる・感じないを分ける秘訣は、やはり「真摯な行動」だろう。例えば今から2つの事例を出すので、発言者は一応「真摯な行動をしている」タイプだと想定して見てほしい。
事例1:行動を依頼する時
コミュニケーションの結果、相手に行動を促すことを目的とするなら、次の2つを見てどっちが人が動きやすいか見てみよう。
・○○をやれ!
・○○をして頂けると助かります
おそらく後者の方が人は動いてくれると思う。そして、この些細な違いでも後者の方は「話術(テクニック)の一つ」と考えられる。「当たり前のことじゃないか」と思われるかもしれないが、その当たり前のように「前者」を使ってくる人も多数存在するので、やはり意識して後者を使うという意味で「テクニックの一つ」と捉えるべきである。
また、後者の言い回しが胡散臭いと思われる場合は、前者の方を選択する事で「裏の無い本当のことを言っているのか。じゃあやるか」とモチベーションを維持したまま動いてくれるのだろうか考えてみるとよい。
事例2:相手の意見に異を唱える時
また、相手の意見に対して異を唱える時に、次の2つを見てどちらが受け入れられやすいか見てみよう。
・あなたのやり方は間違っている
・私のやり方はこうである
これは言葉遣いについて「二人称」を使ったのか「一人称」を使ったのかの違いだ。断然、後者の方が受け入れられ易いと思う。因みに、言葉遣いに気をつける事に関して「敬語」とは異なる軸があることは、別途記事に書いているので、そちらを参照してほしい。
まとめ
2つの例を見てきた様に、些細な言い回しの違いで、受け手の感じ方が全然違う事を示した。ここには変に「相手の虚をつこう」などと言う心情は入っていない。もし、これらの言い回しでさえ、発言する人によっては「胡散臭い」と思うならば、最早コミュニケーションする関係としては最悪の部類と言って良いだろう。直ぐにでも距離を取る事をお奨めする。もし皆さんがコミュニケーションスキルを少しでも向上させたいと思うのなら、これらの些細な言い回しを「自然に言えるように」反復練習してみると良いだろう。他分野のテクニックと同じで、反復練習で修練していく様な類である事には間違い無いのだから。