「コミュニケーションは大事」の先にあるものは

色々な場面において、「コミュニケーションは大事」という言葉が使われると思うが、その先の「ではどうすべきか?」まで言ってくれた人は居ない。例えば、反省会や振り返り会を開いて、コミュニケーションに関する反省点を挙げさせると、「だから、報連相をもっと増やそう」という短絡的な結論が出やすい。しかし、何かしらのルールを設けたとしても、それが継続的に運用しているところは残念ながら少ないと思われる。

なぜ、どこもかしこもこんな事が日常的に起きているのだろうか?

それは「コミュニケーション」に関する知識が周知されていないからだと自分は思うわけである。すなわち、

  • コミュニケーションは「スキル」である
  • 嘘を付く事が真のコミュニケーションではない
  • コミュニケーションスキルの良し悪しを計測するのは難しい

という観点を知らない人が多いと、自分の周りを観察して思うのである。

それでは、具体的に紐ときながら、自分なりに「コミュニケーションは大事」から「コミュニケーションスキルを磨く方法」を皆さんにシェアしたいと思う。

コミュニケーション力はスキルである

自分が現時点で下した結論で、コミュニケーションは「スキル」である。才能ではない。

何故ならば、自分自身もコミュニケーションは苦手だった。人前で話したくない。初対面の人と何話したら良いかわからない。等、できれば人とあまり接しない職業に就きたい、営業なんて絶対嫌だ、と思っていた。そんな自分にはコミュニケーションの才能が無いと考えていた。

しかし、ことビジネスにおけるコミュニケーションの目的を「相手に何かしらのアクションを起こしてほしい」と考えてみると、これはスキルの類ではないかと思い始めたのである。

スキルという事は、それは訓練で人並みには身につけることができるという事だ。料理のスキル、字を綺麗に書くスキル等と同じ類だと考える。

ここでは具体的なスキルの磨き方には言及せず、世に中に出回っている関連書籍を是非探してみてほしい。本を手にとって実際にやってみることが、コミュニケーションスキルを磨く第一歩だ。

嘘をつくことが真のコミュニケーションではない

コミュニケーションスキルについて人に話すと、「では嘘を付いてでも相手を動かすんですか?」という意見がよく挙がる。特に正直に生きたい人程強く思うだろう。自分もそう思う。意図的な嘘は付きたくない。

しかし安心してほしい。

まず、第一にコミュニケーションスキルとは「自分の考えを誤解なく相手に伝えること」であり、「嘘をつく・つかない」は関係ない。

伝え方を間違えて自分の考えがうまく伝わらない場合は、その伝え方にテクニックを使うことが「コミュニケーションスキル」だと考える。

また、思ったことをそのまま言うことは、必ずしも「本当の事を言っている、嘘じゃない言葉」ではないと自分は考える。人の感情は色々な要素で左右される。だから、脊髄反射的な行動が、常に「正直で誠実な行動」と言うわけではないと考えるべきだ。

嘘を付くのが苦手な人程、嘘を付く事が疲労に繋がりやすいと思う。そのうち、本当の自分とは?みたいな感覚まで陥ってしまい、非常に危険だ。

しかし、嘘はつかず、自分の考えを率直に伝えることができるようになって来ると、あまり疲れなくなる。それでも疲れる場合は、相手と距離を置く方がいい。疲れない相手はきっと見つかるはずだ。その相手との関係を大事にすればよい。

コミュニケーションスキルの良し悪しを計測するのは難しい

コミュニケーションスキルを高めていく必要性は理解できた。では、コミュニケーション力が高いとは何か?コミュニケーションスキルはどうやって測れば良いのか?それっぽいセミナーを受けるべきなのか?

答えとしては、最初に例を挙げた料理や、字を綺麗に書くスキルを身につけるプロセスを真似れば良い。とにかく実践練習する事である。そして、適宜フィードバックをもらうのである。

そして、もっと高みを目指したい人は料理教室や硬筆教室と同じように、コミュニケーションに関する講習・セミナーに通ってみるのもアリだ。

しかし、問題は料理や美文字と違い、「今回のコミュニケーションは上手くいったのかどうか」を測る術がない事。この部分を補う為にはセミナー等の参加が必須なのかもしれない。もしくは、そのような判定をしてくれる人材を見つけるかのどちらかかも知れない。

そういう意味では、組織の中で必要なポジションの一つとして、コミュニケーション能力を測ることができる診断士みたいな人ではなかろうか?

そしてその診断士が定期的に、メンバーのコミュニケーション能力を診断し、改善案を提示して、より良い方向へ促していくのである。

まとめ

コミュニケーションは大事だと組織の誰かが言った時は、次の行動をよく観察してみよう。その人が

  • 具体的にコミュニケーションスキルの磨き方について言及した
  • コミュニケーションスキルの測り方について言及した

この2つについて行動を見せている人は、本気で「コミュニケーションは大事だ」の先を行こうとしていることがわかる。

逆に、何も言わずに「報連相のために毎日日報を義務付けよう」や「毎日交代でスピーチをやらせよう」等の具体的な施策を行おうとする人は要注意だ。もし、そのような場面に遭遇した場合は、何故それをやらせようとするのか、コミュニケーションスキルを上げる方法について何か策はあるのか、聞いてみるとよい。応えられない、もしくは「とにかくやってみろ」という反応だった場合は、残念ながらその職場でコミュニケーションが良好になるとは思えないと判断した方が良い。そして、その先の決断については皆さん自身に委ねたい。

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